「TOY」 (11/19)
サカノウエ ヨースケ 2002
T0P/KINKYO
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あーまたこんなもんに手を出して、まったく俺ってやつぁ・・・っていう感じである。かの「ロードオブメジャー」を輩出した幻のバラエティ「ハマラジャ(TX)」のOPで彼が「ランプシェード」を熱唱しているのを見るうちに、つい魔が差していつの間にかamazon.co.jpでクリック一発、である。ついつい手にとってしまった、サカノウエヨースケ(この片仮名のナメた感じがイイ)のデビューアルバム、「TOY」。後付けだが、彼の楽曲の多くがかの浅倉大介御大によってプロデュースされている。なんだか、案外後ろ盾はしっかりしているようだ。その割にはTXのタイアップというのは貧弱な気もしないではないが、吉本の番組なので(サカノウエは吉本興業がマネージするミュージシャンだ)ということもあるのだろう。
それにしても、彼は一応それまでに何枚かシングルも出して、売れないながらもいっぱしのメジャーとして活動しているのに、それがメジャーにもなれていないロードオブメジャーの影に隠れてしまったのも、また気の毒なハナシである。
余談だが、やっぱりというか想像通りというか、ロードオブメジャーがあの番組から出たことを、リアルタイムで観ていた人というのは、僕が周りの人に聴いたなかでも極少なく、顛末を話したらびっくりした人もいたりする。ロードオブメジャーのイベントも覗いてみたことがあるのだが、いかにもTXっぽい規模の人の集まりだった。コアな部分での沸騰が、周りまで徐々に巻き込んでいく様を久しぶりに見たような気がして彼らのヒットはまたそれはそれで興味深い。個人的には、やっぱり楽曲の質、とりわけ覚えやすさってのは大きいのだなと再確認させられた。循環コードは強い。
余談でハナシは崖下に転落したが、サカノウエである。やっぱり万人にオススメできる代物ではないが、しかしこれはこれ、僕はけっこう好きである。そして好きであるというのが少し恥ずかしい部類のものでもある。こういう落っこちそう感溢れたポップスを聴いていると、なんだか限りなくバカになっていけそうである。相当酷いことを書いているような気がするが、アルバム「TOY」の購入に後悔していない。後悔どころか、とても良い買い物をしたと思っている。
浅倉御大をaccessの頃熱心に聴いていたわけではないので、彼のプロデュースの妙といったものは、語る口を持っていないが、chokkakuのアレンジはいい。ヒット曲で結構耳に引っかかるものは、chokkakuの手になるものが多く、SMAPのシングルの要所も彼が締めているのは有名だ(「青いイナズマ」「SHAKE」など)。なんというかこの、リズム的な合いの手というか、「〜ダイヤモンド〜」(恋のナイトフィーバー)みたいなフレーズの入れ方が絶妙にうまい。サカノウエの歌詞もしっかり世界を壊さない。「恋の世界タイトルマッチ」なんて言葉は、今日日のオトコからはなかなか出てこない。「今夜僕は君になる」(ランプシェード)なんて、今にも転落しそうな危うさ。うーむ。
それに、(本当はそうじゃないかもしれないが)彼は妙に力が入っていて良い。旋律スレスレを行ったり来たりするヴォーカルもそう。アングルによってだいぶ印象が変わるルックスもそう。そしてバックにキラキラな音。それが彼の魅力だろう。新人の癖に妙に落ち着き払ったミュージシャンが多い中、これは稀有である。力の入ったヴォーカルを聴きながら、ほの懐かしい気分にさえなる自分に年齢を感じながら、このアルバムがスマッシュ・ヒットになったことについて、まだまだ実はこういうマーケットもあるんだなあと、J-POP(ROCK?)の古典芸能伝承ラインはけして(RC→ブルハ→モンパチ:亜流多数)だけではないのだなあと、感慨にふける晩秋の夜だったりする。ふう。
ぶんせきは
KENTARO